エンジンの状態(異音・アイドリング状況・バッテリー状況・オイル漏れ)

バイクの買取査定時、「エンジンが始動して走行できる実動車であるか否か」は、買取金額を大きく左右する最重要ポイントです。

エンジンが不動となってしまう理由・原因は様々ですが、実動車であってもトラブルを抱えているのが判明すれば、それが減額のためのマイナス材料となってしまいます。買い取り価格を大きく左右する「エンジンの状態」ですが、自力で改善できるものであれば改善して査定に臨んだ方がよいことは間違いありません。

今回は中古バイク査定時におけるエンジンの状態について解説します。

エンジン始動後の異音は黄色信号!エンジンの異音編

エンジンの始動後、金属同士がぶつかり合うような音がしたり、走行中に「ババババ」とうるさくなってくるトラブルはかなり多めです。その原因は様々で、ものによっては単なるエンジンの仕様であることもあります。まずはあなたが所有しておられるバイクのエンジンから聞こえる異音は、
一体どれにあてはまるのかをチェックしてみましょう。

エンジンの異音その①・新車購入時から「シャーガラガラガラ」という音がする

スーパースポーツモデルを多数輩出している「ドゥカティ」などのバイクに多いのがこの異音です。

これは別段異常ではなく、一般的なバイクに採用されているクラッチの種類が「湿式クラッチ」であるのに対し、クラッチが乾いた状態である「乾式クラッチ」特有の音です。国産のマシンで具体的に挙げると、2ストレプリカマシンとして高い人気を誇っていた「ホンダ NSR250Rシリーズ」や、「ヤマハ TZR250シリーズ」といったレーシーなモデルがその代表格です。

クラッチ操作の際にこういった音がしますが、これが正常な状態ですので不安に思う必要はありません。古いフルカウルマシンなどを所有されておられる方は、「ご自身の愛車名+クラッチ+仕様」というキーワードで検索してみるとよいでしょう。

エンジンの異音その②・気がつくと「カチッカチッ」という音が聞こえる

4ストロークエンジン搭載のバイクの場合、この「カチッカチッ」という異音は定番と言える症状です。この症状は場合によっては「パチンパチン」と軽い音がし、まるでプラ板同士がぶつかり合ったような音がします。

こうしたタペット音がするのはエンジン構造上避けられない事項であり、エンジンが温まってくると自然に収まるのが普通です。ヘルメットを被っても聞こえるほど大きなものでない限り、問題はありませんのでこちらもご安心ください。

エンジンの異音その③・走行中の排気音が「バラバラ」してうるさく感じる

アイドリング時は分からなくても、実際に走り出してから「バラバラバラ…」と音量が上がり、耳障りになってきた場合は「排気漏れ」の可能性が高い状態です。

これはエンジンで燃焼した排気ガスがエキゾーストパイプを通り、サイレンサー経由でマフラーから排出されるいずれかの過程に隙間ができることで発生する症状です。改善方法はエキゾーストパイプとサイレンサーの連結部などを増し締めしたり、ガスケット交換などで行います。

まずはお手持ちのツールで各部位の増し締めを行い、それでも直らなければガスケット交換に出すか否かの判断をして査定に臨む、という風に考えればOKです。車種によってはカウリング・エンジンの積み下ろしをする必要もあるため、一概には言えない部分がありますので、行き着けのバイクショップなどに一度相談してみるとよいでしょう。

エンジンの異音その④・金属同士がぶつかり合う「キンキン」という音がする

スロットルを開けてエンジンの回転数を上げた際、通常のタペット音よりも甲高く「キンキンキン…」という異音が聞こえる場合があります。

この症状はガソリンと空気の混合比率が適切でない場合(ガソリンが薄い状態)、エンジンオイルの劣化や点火タイミングの不具合など様々な原因が考えられます。このまま放置しておけば、遠からずエンジンが焼き付きを起こしてしまいますので、確認できれば早急にバイクショップへ持ち込んで相談してみましょう。

ちなみにこの症状は低年式車・過走行のバイク・長期間メンテナンスしていなかったバイクに多いトラブルで、400ccクラスのネイキッドなど高回転仕様のエンジンを搭載しているバイクは特に注意が必要です。

エンジンの異音その⑤・上記に当てはまらない異音がする

上記のいずれの症状にも当てはまらないケースや、各注意点をチェックしてみても異常が見抜けない場合、メタルの焼き付きやベアリングの破損などが原因となっていることが考えられます。

これを判断するには一定以上のメンテナンス知識が必要ですが、自信のある方はエンジンのシリンダーヘッドカバーを外してチェックしてみてください。チェック時に削れた金属が溶けた形跡や金属粉、焼き付きなどの症状が出ていればただちにバイクショップへ持ち込む必要がある深刻度です。

こうなるとエンジンのオーバーホールなどを必要とするため、修理するか現状で買取査定してもらうか十分に検討した上で決めることをおすすめします。

アイドリングの異音はそれだけでマイナスに?アイドリングの状態編

バイクのアイドリング時、違和感を覚えるという相談内容が多々あります。

新車購入から間もない「慣らし運転」の済んでいないバイクや、エンジンをオーバーホールした「レストア車」に多い症状です。オートバイ・自動車の宿命上、エンジンが始動していればメカノイズが入ることは避けようがない問題で、エンジンが温まってきたら違音がしなくなるようであれば気にする必要はまずありません。

アイドルスクリューの調整など、簡単なメンテで改善することもできるケースがありますので、まずは様子を見るという形でも構いません。ただし、前述したタペット音関連の問題として、このタペット音が段々大きくなり、「ガラガラガラ」と耳障りなものになってしまった場合は要注意。

この異音の原因はバルブにあり、エンジンへの給排気を司るバルブの開閉状況に何らかの不具合があり、しっかりと閉まらなくなっている場合に起こるものです。最近音が大きくなったようであれば比較的修理費が安く済むケースも多いため、買取査定前にお近くのバイクショップなどで相談してみると良いでしょう。

オイルがボタボタと漏れるバイクは要注意!オイル漏れ編

停車しているとエンジンからポタポタオイルが滴っていたり、車体の下にオイル溜りができてしまっているのを発見したら、100%に近い確率であなたの愛車は「オイル漏れ」を起こしていると見てよいでしょう。

特に少し前のカワサキ車に多いオイル漏れは、パッキンの劣化などによって起こるトラブル事例。旧車であればさほど珍しくなく、1日放置して数滴程度であればそれほど大きな問題ではありません。

しかし、こうした古い車種でないのにオイル漏れが起こっている場合はオイル漏れの箇所を特定し、それに合った修繕を行う必要があります。オイルは液体ですので、重力に従って上から下へ流れ落ちるものです。オイル溜りの上部をチェックし、オイルが一体どこから漏れているのか、どの程度の量が漏れているのかを見極め、なるべく早めにバイクショップなどで修理することをおすすめします。

エンジンオイルの残量が十分あり、始動性が確認できるようであればそのままの状態でも買取できる可能性は高めですが、原付バイクなどの場合は買取自体を断られるケースもあります。

バッテリー不良による不動であれば安心?バッテリー問題編

どうしてもエンジンの始動が出来ない深刻なトラブルの場合は別ですが、セルモーターが回らないためエンジンの始動性が確認できない場合、「バッテリーの消耗」が考えられます。

このトラブルは寒さの厳しい冬など、長期間エンジンをかけていなかったバイクなどに多い症状で、バッテリーにセルを回せるだけの電気が残っていない場合に見られます。バイクショップなどでバッテリーの充電を行ってもらうのが理想ですが、長期放置の前まではエンジンが始動していたのであれば、そのまま買取査定に出しても構いません。

その場合、買取査定申し込み時に「バッテリーが上がってしまっているので、査定の際にブースターで対応してもらいたい」と伝えてみましょう。気の利いたバイク買取業者であれば、殆どの査定スタッフがブースター携行で出張査定に来てくれます。

バッテリーの消耗は減額ポイントのひとつですが、エンジン不動の状態よりは遥かに軽微で、減額内容も数千円レベルの僅かなものです。時間に余裕のある方はガソリンが腐っていないかを確認した上で、お近くのバイクショップやガソリンスタンドで「セルが回らないのでバッテリーを充電したい」と相談しましょう。

充電費用は1,000円~2,000円程度で、こうした時間的余裕のない場合はそのまま査定依頼という形でOKです。

エンジン関連のトラブルは可能な限り自分で対策!

以上、バイク買取におけるエンジン関連について解説させていただきました。いかがでしたか?

オートバイ・自動車において「エンジン」は心臓とも言える最重要箇所ですので、エンジンの不具合はかなりの減額ポイントです。しかし、しっかりチェックして適切な処置を行うことは、意外に難しくないケースも多く、「エンジントラブル=大幅減額」とは限りません。

まずはトラブルの発生箇所とその内容、状況をチェックしたし、ご自身が出来る範囲で修繕した上で買取査定を依頼するのが理想と言えます。

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