バイクは人力では到底作り出せないパワーを生み出すエンジンを搭載し、そのパワーを活かして走る乗り物です。
自動車では通れないような道を走り抜けたり、ワインディングでは車体をコントロールして軽快な走りを楽しむことができるのがバイクの長所ですが、永く快適に走るためにも、バイクを売る時に高値で売却するためにも「愛車の状態を把握しておくこと」がかなり重要です。
例えば、ウインカーが玉切れ状態を起こしたまま走らせていれば、すぐさまパトカーに止められてしまいますし、ガソリンの残量がないまま走り続ければガス欠で立ち往生を起こしてしまいます。
反則キップを交付されて減点されるだけであればまだしも、これが「整備不良」ともなれば罰金の納付も必要になります。査定時にはその不備によって愛車の車両価値がどんどん低くなってしまいます。
今回は、バイクライフを快適にするために、愛車を高価買取してもらうために極めて重要な「所有するバイクの状態確認とそのチェック方法」について解説します。
記事の目次
愛車のチェックは洗車しながら行うのがおすすめ!
愛車の状態をチェックするには、何と言っても洗車と同時に行うことがおすすめです。
バイクは自動車と違ってガソリンスタンドで洗車機を利用することはできませんので、必然的に手洗いで行うことになるのですが、目視しながら洗っていくことで細部に至るまで詳しい状態を確認することができます。
以下、バイクを洗車しながら状態確認できる箇所について紹介します。
意外と知らない?!タイヤの空気圧は洗車時に判断できる!
バイクを洗車することにより、非常に状態が把握しやすいポイントとなるのは「タイヤ」です。
釘や異物が刺さってのパンク・空気漏れといったものから、タイヤ自体の磨耗度・ホイールのキズや汚れまで様々なチェックが行えます。
中でもパンク・空気漏れに関しては非常に分かりやすく、バイク用洗剤の泡がついている箇所がブクブクと気泡を発するので早期発見に繋がります。
また、タイヤバルブの紛失やホイールのキズといった状態異常も同時に確認できますので、定期的に行うことで万全のコンディションを保つことが出来ます。
目に入りやすいブレーキ周りの状態は要確認!
タイヤと同時に目に入ってくる箇所ですが、「ブレーキの状態チェック」も同時に行うことができます。2つのタイヤのみで車体を支えているバイクは、自動車よりもブレーキ性能が問われる乗り物。
洗車しながらチェックすることにより、ディスクローター(ブレーキディスク)のオイル汚れやキズ・歪み、付着したブレーキパッドのカスからパッドの消耗度まで簡単に把握することが可能です。
うっすらとサビが浮かんでいる程度の軽微なものであれば、クリームクレンザーで優しく磨くことで十分リカバリーできますので、維持管理の上でもおすすめです。
洗車で外装類のキズ・サビを早期発見!
バイクは金属製パーツによって構成されていますので、サビが発生しないという箇所は殆ど存在しません。土埃や軽度の水垢を落としていくと、ごく初期段階のサビを早期発見することができます。
サビは放っておけばあっという間に進行してしまいますので、洗車時に発見したら早めにケアしてしまいましょう。
各部のオイル漏れは洗車前の車体移動で明らかに!
バイクを洗車する際、保管場所から全くバイクを動かさないというのは殆どないでしょう。なぜなら、水はけの良い場所・水道がある場所に移動させることになるためですが、この時にバイクの下にオイル溜まりがある場合は要注意。
これがオイル交換時にこぼれたオイルであれば問題はありませんが、エンジンからのオイル漏れは重篤なトラブルの前触れでもあります。洗車中あるいは洗車後のすすぎの際、水の表面に油膜があれば十中八九あなたの愛車はどこからかオイル漏れを起こしていることになります。
オイルシールの劣化やドレンボルトの緩みなどオイル漏れの原因は様々ですが、洗車してクリーンな状態に戻すことにより発生箇所を特定しやすくなるというメリットがあります。
チェーンとスプロケットも忘れずにチェックを!
リア周りを洗車する際、嫌でも目に入ってくる箇所に「チェーン・スプロケット」が挙げられます。この部分はバイクの走行性能を大きく左右する出力の伝達箇所ですので、チェーンのたるみやサビ・オイル(チェーンルブ)切れといったことをしっかりチェックしておきましょう。
チェーンも消耗品には違いありませんが、正しくケアすることでその寿命は非常に長くなり、フリクションロスによる燃費性能の低下など、様々な不具合を改善することに繋がります。
チェーン洗浄・注油は汚れがガシガシ落ちていく作業ですので、洗車と合わせて行うことによりバイク本来の美しさを取り戻すことができます。
アイドリングは大丈夫?エンジンを始動して状態をチェック!
洗車によってチェックできる箇所は前述の通りですが、それと同程度に重要となるのがエンジンのコンディションです。オイル漏れは見た目だけでも発見できますが、アイドリングの不調や排気の異常は、静止した状態でエンジンを始動しない限り見抜くことができません。
エンジンが完全に冷えている状態から始動し、始動と同時にシリンダーヘッド・エキゾーストパイプ付近の排気漏れをチェックしてみましょう。
排気漏れのチェックを行って異常がなければ、今度はスロットルを開閉してエンジンの回転数を上げてみてください。排気音のバラつきやアイドリングの安定を確認し、必要があればキャブクリーナーなどを使用することにより、大事にならないうちにケアすることが可能です、
磨き方次第でシートは甦る!汚れたシートをしっかりケアしよう!
現在市販されているバイクの多くは、撥水性の高い材質をシートに採用していますが、旧車や低年式のバイクであった場合は一目でそれと分かるほどシートが汚れているケースがあります。
特にシートカラーが黒以外の場合は非常に汚れが目立つので、シート汚れに気付いたら早めにケアしておきたいところです。放っておくと酸化し、シート表面に頑固に固着しまうので、毛の短い「靴みがき用ブラシ」とペースト状洗剤あるいはレザーワックスを使って磨きましょう。
シートの磨き方は少量の水をかけて(もしくは十分に水を含ませた古タオルなどで表面を濡らす程度でもOK)、ブラシにペースト状洗剤を少量つけて円を描くように掌を使って磨いていきます。
力を必要以上にかけず、丹念に磨いていくうちに洗剤の泡がどんよりとした汚れに変わり、目に見えて汚れが落ちていきます。一通り磨き上げた後は、一度汚れを浮かせた洗剤をしっかりと水で洗い流し、レザーワックスを少量つけて全体になじませていけばケア完了です。
愛車のコンディションをしっかりキープ!バイクの状態チェックは定期的に!
愛車の状態をしっかりチェックする方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?今回ご紹介させて頂いた方法は、いずれも特別な工具類を必要としない上、メンテナンスに不慣れな女性でも安心して行えるケアです。
各箇所を注意しながら確認することにより、長期所有時でも購入時のコンディションを損なうことなく、いつまでも愛車に乗り続けることが可能になります。
お気に入りの大切なバイクだからこそ、良い状態をキープしていつでも乗れるように愛車の状態をしっかり把握しておきましょう。
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