業者オークションの種類

業者オークションだけが仕入れの場に非ず!業者間取引の種類について知ろう!

こちらの記事でもご紹介させて頂きましたが、業者オークションに関するご関心が高いことを受け、追加情報をお届けさせて頂きます。
(※↑青文字箇所に「№106 業者オークションの基礎知識と業者の種類」へのリンク指定)

日本最大の取引数を誇る「BDSオークション」を始め、インターネットの普及率が高まった現在、多くの中古バイク取引が行われるようになりましたが、それだけが業者間取引の全てではありません。

私たちユーザーがショップへ売った場合も重要な販売車両の調達方法ではありますが、それとは別の業者間取引方法が存在しています。

今回は、前回に引き続き「業者オークションを含む業者間取引の種類と特徴」について解説させて頂きたいと思います。

インターネットが未発達の時代から業者間取引は行われていたって本当?

この質問は管理人の友人から聞かれたものですが、実はインターネットはおろか、パソコン通信すらない時代から業者間取引というものは存在していました。

同じ商品を仕入れて売る小売業の場合、新品を問屋から仕入れて自店舗で販売する「卸業者」というものを介していますが、バイク・自動車の場合はメーカーから直接仕入れる形になるため、中古車としての流通はないように思われてきました。

しかし、通信網の発達していない1970年代から「中古車・中古バイク」という商材は認知されていたわけですから、街の小さなバイクショップ規模ではとても需要に追いつかなかったことは自明の理だと言えます。

一体どうやって昔の中古バイクショップは中古バイクを調達していたのでしょうか?

現在の「業者間取引」は大きく分けて3種類!中には皆さんご存知のあの方法も?

ここからは2017年現在、実際に行われている業者間取引についての解説とさせて頂きます。中には皆さんがおなじみのある方法もあり、どのような形で取引されているのかを知る参考になるかと思われます。

もしそういった業者にお心当たりがあるのであれば、この記事を参考に軽くツッコミを入れてみるのも一興かと思います。

業者間取引の種類その1・会場入札&ネット入札で行われる業者オークション

最初に挙げさせて頂く業者間取引は、先の記事でもご紹介させて頂いた「業者間オークション」です。

国内最多取引台数を誇る「BDS」、自動車オークションを運営するUSSとの提携オークション「JBA」、神奈川県川崎市で開催される輸出業者向けの「アライオートオークション」、衛星中継による多ジャンル開催がウリの「オークネット」らがそれに該当します。

いずれも会員限定のクローズドな取引の場となっており、会員資格を得るためには実際の販売店舗・車両を展示するためのスペース・商談を行うためのブース・保証金&保証人など、厳しい審査基準を満たした業者であることが求められます。

一般人の参加はできませんが、有資格の業者による「代理入札」及び「代理出品」が行われており、それらは「代理業者」という呼称で呼ばれております。

参考記事:業者オークションの基礎知識と業者の種類

業者間取引の種類その2・バイク回収業者などと商談を行う業者間取引

恐らく、これが皆さんにとってもっとも良く知られた方法かと思いますが、あなたのバイクに↑のような貼り紙がされていた経験はありませんでしょうか?

こうした「あなたのバイク買い取ります!」という趣旨の貼り紙をしていくバイク回収業者や、リサイクルショップなどを相手に商談を行う「業者間取引」というものがあります。

これはインターネット取引が行われていなかった1990年代前半まで、業者間取引の主要取引方法でした。

路上に放置されたままの廃棄バイク回収など、古物商取引の許可さえ下りれば軽トラック1台のみで経営が成り立つ手軽さもあり、比較的修理が容易な原付スクーターが主な商材となっていました。

今日現在では前述の業者オークションの隆盛や、こうしたチラシを隠れ蓑にした「バイク窃盗団」の多発化により、貼り紙をしていくバイク回収業者はイメージダウンと共に減少。

しかし、このような営業方式で廃棄バイクなどを回収していく業者はまだ存在しており、おおよそ店頭販売価格の4割前後で中古バイク販売業者が買取契約を結んでいます。

所有者不明で登録ができないバイクの場合は、盗難被害車でないことを念押しした上で買い取り、自社の保有地で分解整備し、ニコイチ状態で実動化したものを輸出する貿易業者も買取契約を結んでいたりします。

ちなみにこの保有地は、窃盗団の拠点としばしば混同されますが「ヤード」という名称で呼ばれるストック場所がそれにあたります。

この事はあまり一般には知られていませんが、時折求人情報サイトなどでも参考画像のような求人が掲載されていることも。

決してアングラな商売ではありませんが、この旧来の業者間取引や公にならない求人情報などが噂を呼び、「バイク買い取ります」貼り紙を行う業者全体のイメージを損ねているのかも知れません。

業者間取引の種類その3・中古バイク販売業者で行われる業販取引

最後に挙げさせて頂く第3の業者間取引の種類は、「庭先取引」といった名称で呼ばれることもある「業販取引」です。

これは前2者と比べ非常にクローズドな取引方法で、オーナー同士のつながりがある個人経営の小規模ショップなどでよく行われる取引です。

内容的には至ってシンプルなもので、付き合いのある中古バイク販売業者同士で現有している車両を融通し合う形で取引し、車両を現有していた業者から紹介手数料などをもらうといったもの。

今でいう「お水・風の世界のスカウト」を想像してもらえば大体合っています。

こうした取引は乗用車のジャンルでもあることで、あちらでは「サブディーラー」といった呼ばれ方をすることもあります。

これは特定の車種(例えば常連客からあるバイクのオーダーが入り、自店舗にはないけど付き合いのある別業者には現車がある…、といったケースなどで使われます)の購入相談を受けた際など、今日現在でも意外に使われている取引方法で、小規模経営者が商機を逃さないための横のつながりを活かした自衛策という見方もあります。

一般的に知られていない業者間取引には「助け合い」の精神も!

以上の3つが現在行われている業者間取引の種類ですが、現在の業者オークション以外の2者は非常に古くからある日本ならではの取引方法だと言えます。

どちらも小規模経営の事業者が、手と手を取り合って業績を上げていくために考え出されたという側面があり、古くから伝わる「相互扶助」「助け合い」といった精神的なものを大事にした内容でもあります。

近年ではバイク窃盗団の悪質な手口が横行しすぎたため、バイクへの貼り紙に嫌悪感を抱く方も多いかと思われますが、こうした側面から見ると商売人のいじらしさと強かさを感じ取れるような気もします。

情報網が発達した今日現在でもあまり知られていない取引方法でしたが、皆様のバイク談義の小ネタにでも知っておいて頂ければ幸いです。

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